■スラップベーシスト名鑑Vol.1
「ラリー・グラハム」
スラップ(チョッパー奏法)の創始者(?)
スラップベース界のゴッドファーザー

 

【前書き 連載開始の理由】

こんにちは、ベーシスト淳です。
本連載「スラップベーシスト名鑑」を書くことにした理由は、
スラップ奏法を始めたばかりのあなたに
僕の好きなスラップベースの名人を
ご紹介したいからに他なりません。

好きなスラップベーシスト
「いない」「わかりません」
という回答が多かった…

…というのも、

僕は4年ほど前から5000人以上の方に
スラップ奏法の入門メルマガ動画講座を
配信してきたのですが、

最初の1通目のスラップ入門講座で
このような質問をしているのです。

【質問】
・「好きなスラップベーシストはいますか?」
・「目標にしているスラッパーはいますか?」

すると、なんと!

一番多い回答は、
「好きなスラップベーシストがわかりません」
「まだ始めたばかりなので、誰がいるか知りません」
…といった回答だったのです。

しまったぁ〜〜!

それもそのはずです。

まだスラップ奏法を始めたばかりの方や、
ベース自体を始めたばかりの方もたくさんいます。

そもそも、
世の中にどんな名スラッププレイヤーが
居るのか、わからないという方も多いでしょう。

そこで本連載では、(僕の知る限り)
名のあるスラップベーシストを
ご紹介したいきたいと思います。

(ここから本編)
「ラリー・グラハム」
スラップベース界のゴッドファーザー

ラリー・グラハム

ラリー・グラハム氏は、
(僕が個人的に)「スラップ界のゴッドファーザー」
と呼んでいる人物です。

スラップ奏法を始めた方であれば
一度は本や雑誌やDVDなどで目にする名前なのでは
ないでしょうか?

その理由は、
「スラップ奏法の生みの親」と言われている
(※諸説あり)ことも大きいでしょう。

ドラムがいなかったので
弦を叩くことにした

ラリー・グラハムは、
幼少期からピアノやダンスを学び、音楽を嗜んでいたようです。

15歳の頃に組んでいたバンドで、
ドラマーが不在の状態になってしまいます。

ドラムが不在な中で、
しかし打楽器のビート感とパーカッション的なサウンドを
得るためにグラハムが選択したことは、

「弦を叩く」ということ。

これにより、ベースサウンドと同時に
パーカッションサウンドも
兼任することに成功した!

…というのが、
スラップ奏法の始まりだったと言われています。

(※「スラップ奏法の創始者は誰か?」
という問いには、諸説があるようです。

しかし、スラップ奏法を名実ともに多くの人に
知らしめることになった先駆者のベーシストは
ラリー・グラハムであると言えるのではないでしょうか。)

図太いサウンドのスラップを
叩き、かつソウルフルに歌う

プレイ自体の話に戻ります。

ラリー・グラハムのスラップ奏法は、
「図太いサウンド、迫力あるスラップ」
と、表現すればいいでしょうか。

ひとまず動画などでサウンドを聴いて、
映像を見ていただければ、一目でわかると思います。

(※なお、CDなどのレコード音源よりも
ライブ音源や、生演奏を収録された動画などを
見聞きすることをおすすめします。
音の「力強さ」が全然違って聞こえますので)

ブルドーザーのように唸るサムピングと、
往復サムピング。
(ダウン・アップを交互にストロークするスラップ)

大振りで腕を振りながら、
迫力のあるアクションで視覚的にも豪快です。

また、スラップをしながらも
ソウルフルに歌うという技を
ごく日常的にやってのけています。

1946年生まれだそうなので、
この連載執筆時点で御歳70歳でしょうか。
パワフルさは健在です。

おすすめスラップ・フレーズ

以下は、おすすめのスラップ・フレーズです。
スラップ奏法を練習したり、ネタとして取り入れるのに
おすすめです。

「Pow」

この曲のフレーズは、
「スラップ奏法の登竜門」と言われているほど
多くのスラップ入門者がコピーしているフレーズです。

これひとつを繰り返し弾いて、
「手グセ」として身につけるだけでも
多くの技術を学ぶことができるでしょう。

また、「Pow」の興味深いことは、
正確な弾き方が解明されていないので
(僕の把握している限りでは)
カバーする人によって、様々な解釈をされている
ということです。

・Aさんは、こうやって「Pow」を弾いている。
・Bさんは、こういう弾き方で「Pow」を弾いている。
・Cさんは、こんな弾き方で「Pow」を弾いている。

どれが正確な弾き方なのかは、
ラリー・グラハムさん自身に聞くしかありませんが、

僕が過去に雑誌や本などで
「Pow」関連のベース譜やTAB譜を読んできた限りでは、
見るたびに違った解釈をされているので
同じ譜面を見たことがあまり無いです。

そういう意味では、
様々な人の「Pow」の解釈を比べてみるのも
面白いかもしれませんね。

スラップベースを練習している者同士で
「Pow、どういう弾き方で覚えた??」と
聞き合うこともあります。

そのくらい「Pow」というフレーズは、
スラップ奏法を嗜んでいる人の間では
共通言語として成り立つくらい
「MUSTフレーズ」と言えるかもしれません。

「Hair」

個人的に好きなフレーズは、この曲です。

音声で聴いていただくとわかると思いますが、
「粘っこい」「ねちっこい」
ゴムのように粘り気のあるサム&プルは、
聞き応え抜群です。

ヘヴィさも備えており、
腹に響く重低音にはやみつきになりますね。

ラリー・グラハムを
学びたくなったら?

今回おすすめしたラリー・グラハムの
スラップベースを学びたくなったら、
いくつかの情報源があります。

※僕のスラップ入門者時代は、
YouTubeもAmazonもありませんでした。
いまは何でもあって本当に便利なものですね!
スラップを覚えるには理想的な
環境が揃っている時代だと思います。

(1)YouTubeなど
(大きな声では言えませんが)
YouTubeなどでラリー・グラハムの
レッスン動画などもアップロードされているようです。
それらを見てみるだけでも多くの極意を感じ取ることが
できると思います。

(2)本・雑誌やムック本など
ベース・マガジンのスラップ特集の回などでも
時々、「Pow」などの譜面が掲載されています。

また、「スラップ・スタイル」というムック本には
「Pow」のメインフレーズのTAB譜が掲載されていますし、
僕も実際にそれを参考に当時Powを覚えました。

その他、スラップ入門関連の書籍などで
たびたび黄金フレーズとして「Pow」は引用されていますので
それらを見て参考にすると良いと思います。

(3)ラリー・グラハムのレッスンDVD
ラリー・グラハム自身のレッスンDVDも存在しています。
(昔、後輩のベーシストにプレゼントした覚えがあります。)

>>ラリー・グラハムのDVDはこちら

以上のような情報源から、
ぜひラリー・グラハムの情報に触れていただくと
嬉しく思います。

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ベーシスト淳(スタジオ淳チャンネル)

ベーシスト淳(スタジオ淳チャンネル)

DVD教材「一番やさしいスラップ奏法」がAmazonでベストセラーを記録。 YouTubeの視聴者が1.7万人の動画スラップベース講師。 1986年生まれ、横浜出身。高校生時代からスラップ奏法にのめりこむ。 しかし、巷のベース教材やDVDを見てもイマイチ理解できず苦戦。数年かけてスラップ奏法を習得。 2011年9月、YouTubeチャンネル「淳ちゃんねる@ベース講座ドヤ顔ハッタリ技」を開設。 「スラップ奏法の習得に苦労した自分と同じような初心者の方にわかりやすく解説したい」という想いから、解説動画をアップし続ける。 2016年、YouTube登録者数が17,000人を突破。 対面レッスンも精力的に取り組み、東京・大阪でスラップ入門講座を開催するなど熱心に活動中。
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