今回で「スラップベーシスト名鑑」
第11回目のお届けです。

今回ご紹介するベーシストは

ロバート・トゥルージロ(メタリカ)のご紹介です。

robert3

メタリカの現ベーシスト。
Infectious Groovesにてスラップ奏法を前面に押し出したプレイ

ロバート・トゥルージロ(Robert Trujillo)は
様々な読み方があるようですが、
(トゥルーヒヨなどと発音するようです)
日本表記では「トゥルージロ」と書かれることがよくあり、
一部では「鶴次郎」など愛称で呼ばれています。
(トゥルージロを文字ったのですね(笑))

ヘヴィメタルバンド「メタリカ」の
現ベーシストとして活躍しています。

「え?メタリカって、そんなにスラップする曲があったっけ!?」

…と疑問に思われるかと思いますが、
その通りで、メタリカではあまりスラップを押し出している場面はありません。

どちらかというと
昔参加していた「Infectious Grooves」という
ファンク・ハードコア・バンドでは、
彼のスラップを前面に押し出したプレイを目にすることができました。

現在でも時々Infectious Groovesのライヴに出演したり、
またはベーシスト個人としてのプレイでは
スラップ奏法を存分に見ることができるようです。

(余談の余談ですが、
メタリカの曲である「Master of Puppets」を
Primusのレス・クレイプールが大胆にも
全曲スラップベースでカバー演奏しています。
そういう意味でメタリカの曲のスラップ・アレンジが
存在します。かっこいいですよ)

おすすめ曲・フレーズ紹介

それでは、おすすめの曲やフレーズのご紹介です。

■Cousin Randy(Infectious Grooves)

0:44からのスラップベースによるリフは重厚です。
ロック/ハードコア/メタルなどの音楽で、
スラップベースで目立つリフを作るとしたらお手本になりそうですね。

■ Violent & Funky(Infectious Grooves)

トゥルージロ名物の、ゴリゴリに速いツーフィンガーによる指弾きが堪能できる曲です。
これを初めて聴いた時には
「え?これ、ピックで弾いてるのかな?でも途中でスラップしてるし…演奏中にピックに持ち替えているのかな?もしかして、3フィンガー奏法?」と戸惑ってしまいました。

しかし…まさかと思って演奏見てみると、
ツーフィンガーで速く弾いていると知り、驚きました。(笑)

■ Back To People(Infectious Grooves)

僕が個人的に好きな曲です。
冒頭からのスラップ奏法のプルによるダブル・ストップ(2本同時にプルすること)が目立つ曲です。
歯切れのいいカッティング・ギターと、
複雑なパーカッションとスラップ奏法の組み合わせが
クセになるファンキーな曲です。

■ ベーシスト同士のセッション演奏

トゥルージロのスラップ奏法を落ち着いて見ることができる演奏動画です。
Warwick(ベースのメーカー)が主催するワークショップで
ベーシスト同士でセッション演奏している場面です。

最初は座って演奏していますが、後半からは熱くなってきたのか、
立ち上がってお馴染みのトゥルージロ・スタイルで演奏していますね。

持ち前の高速なツーフィンガーと、
手首の回転を生かした剛力なスラップ奏法を見ることができます。

ファンキーなスラップと、ゴリゴリに速い指弾きベース

robert2

トゥルージロのプレイでは僕個人的には
「Infectious Grooves」での演奏が一番好きなのですが、

ファンク的な音楽とハードコアの過激さを
同居させたような音楽性で、
キレのいいスラップ奏法を聴くことができます。

また、彼は非スラップ時には
ツーフィンガー奏法の指弾きでプレイするのが基本で、
その指弾きは、恐ろしく高速です。

最初に聴いた時は、
「これ、スリーフィンガー(3本指奏法)で弾いてるのか!?」
…と思ったくらいでした。(笑)

何しろ現在メタリカでの演奏も
全体的に指弾きで弾いており、
「Battery」などの高速な曲もツーフィンガーで弾いているのは驚きです。

極めて低い位置で構えるベース。
黒髪長髪+タンクトップ&ハーフパンツのワイルドなスタイルの男気スラッパー

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トゥルージロは、
ベースを腰より低い位置で構えており
腕を「だらり」と下に伸ばしたような構えで
スラップ奏法及び指弾きをプレイしています。

また、少しパーマのかかった長い髪、
タンクトップにハーフパンツという
バスケットボール選手のような独特の服装をしています。

そのワイルドなスタイルでベースを低く構え、
親指を下に向けてスラップするため、
いわゆる「フリースタイル」のスラップ奏法です。

サム&プルとゴーストノートを組み合わせた
パーカッシヴでファンキーなスラップベースで、
クリアーなドンシャリ・サウンドの音色です。

(Infectious Groovesの音楽性そのものが
ハードコアとファンク的な音楽を混合させているため、
変則的で次を予測しにくい曲展開が多く、
「そう来るか!?」という意外性のある演奏が楽しめます)

あとがき 〜なぜか見ていて楽しくなる演奏〜

今回の特集、いかがだったでしょうか。

ロバート・トゥルージロは
「鶴次郎」という愛称で日本人にも親しまれており、
彼の活躍を見ていると楽しくなってきます。

あまり気取った雰囲気でもなく、
おじさんなのにタンクトップにハーフパンツ姿、
そして腕を伸ばしきって超低空で豪快にベースを弾く姿に
子供心のようなものを刺激される気がします。

僕自身ベースを始めたばかりの高校生時代、
「あんな風に、自分のスタイルを貫いて、
大胆に豪快に活躍したいものだ」
と目を輝かせて憧れていました。(笑)

また、極めて難解なプレイををしているわけではなく
シンプルな演奏を中心にフレーズを組み立てているのですが、
プレイの随所に「トゥルージロ節」を垣間見ることが多く、
演奏している姿を見たりサウンドを聴くと
「やっぱりトゥルージロらしい演奏だな」と感じます。

そんな「らしさ」が滲み出るようなベーシストに、
僕もなりたいなと思う次第です。

ご意見・ご感想ありましたら、コメント欄にお書きください。

 

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ベーシスト淳(スタジオ淳チャンネル)

ベーシスト淳(スタジオ淳チャンネル)

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