■スラップベーシスト名鑑Vol.10
「マーク・キング」
~スピードKing!弾丸高速スラッパー

markking1

 

今回で「スラップベーシスト名鑑」
第10回目のお届けです。

今回ご紹介するベーシストは

マーク・キング(Mark King)
(バンド「Level 42」)
のご紹介です。

英国フュージョンの弾丸高速スラッパー。かつ弾きながら歌ってしまう

マーク・キングは「Level 42」という
英国発のフュージョンバンドでベースを担当、
高速なスラップとフレーズ・センス、
そして見事に歌いながらベースを弾くことで
一躍有名になったベーシストです。

スラップベース教材の業界では
「マシンガン・スラップ」とよく称されている
高速スラッパーでもあり、
とにかくサムピングの速度が速いことでも有名です。

おすすめ曲・フレーズ紹介

■ Mr. Pink(Level 42)

「マーク・キング(Level 42)の曲」といえばこの曲。
..と言えるほど鉄板の名スラップ・フレーズです。

上記の演奏では、曲そのものが始まるのは1:18からです。
しかし、その前に冒頭から始まるスラップ・ソロによる
イントロ演奏は、会場を沸かせるに十分なパフォーマンスですね。

■ インタビュー映像(マーク・キング)

本人のインタビュー映像。
冒頭では、前述した「Mr.Pink」をゆっくり演奏して
説明してくれていますが、目で見てコピーするには
まだまだ高速すぎる気が…(笑)

ぜひ、「Mr.Pinnk」を研究したい方はこの映像を
ご参考にしていただくと良いのではないかと思います。

中盤以降では、彼の足元(エフェクト・ボード)を
見ることができるので、音作りの参考にもなりそうです。

■ 本人によるレッスン動画

本人によるベースレッスン動画です。
個人的には1:49周辺からのゴーストノートを交えた
プレイについての説明が参考になります。
彼自身が「Dramming(ドラミング)」と言っていますが、
ドラムのように打撃音を交えてフレーズを弾くという事ですね。

彼のプレイは、右手の高速連打だけでなく
左手も大いに活用してグルーヴを作っているという事ですね。

0:22からの部分では、
左手のハンマリングだけで音を出し、
タッピングのような演奏をする方法についても解説しています。

その後、右手でサムピング+左手でハンマリングする事で
多くの手数を得ている旨が説明されています。

「なるほど、無数の音が聞こえるのはこういう仕組みなのか」
と、感心して見ってしまいます。(笑)

■ マーク・キング名義のバンド演奏(歌あり)

冒頭の一曲目から歌を歌いながら
スラップを弾いています。

これだけ連打をしながらグルーヴを維持して
しっかり歌も歌ってしまうのは、圧巻ですね。

中盤では指弾きによるプレイも見ることができ、
スラップ奏法以外にも全体的な演奏レベルの高さが容易に伺えます。

ところどころに挟まれるスラップ・ソロも
ぜひご堪能下さい。

トレードマークは、親指に巻いたテーピング。

markking3

彼についてもう一つ、象徴的なことがあります。

それは、トレードマークである
親指に巻いたテーピング」。

スラップ奏法を弾いていると、
サムピングのしすぎで親指が痛くなることがあります。
彼(マーク・キング)は、親指にテーピングを巻くことで
その親指をサポートしているようです。

何十年というキャリアでずっと
親指にテーピングを巻いてベースを叩き続けており、
もはやそれが彼の「トレードマーク」
と言えるようになっています。

「なぜ、テーピングを巻くの??」
「そんなに親指を大事にしてるの??」

…と、疑問に思うかもしれません。

が、

彼のプレイを観ると
その疑問は解決されるでしょう。

彼は、サムピングが極めて速いのです!(笑)

高速なサムピング連打を見ていれば、
「それは親指をサポートしたくなるわ」
と自然と納得してしまうことでしょう。

手首を返すサムピングで高速回転するスタイル

markking4

彼(マーク・キング)のスラップのスタイルは、
親指を叩いてすぐに返すスタイル。

(僕(ベーシスト淳)のスラップ入門DVDでも
ご紹介していますが、

サムピング奏法は大きく2つに分けられ、
・叩いて振り抜く「振り抜きスタイル」と
・叩いて手首を返す「フリー・スタイル」と
大まかに説明しております。

一般的にフリー・スタイルの人は
ベースを腰より低い位置に構えて
スラップすることが多いことを説明していますが、)

彼(マーク・キング)のスラップのフォームは、

腰よりかなり高い位置にベースを抱えているのですが、
サムピング(親指)を叩いたらすぐに手首を返して、弦の上でバウンドさせるように弾いています。

(つまり、一見すると「振り抜きスタイル」でスラップしているように見えるのですが、
本質的には叩いて返す「フリースタイル」に近い形でスラップしているのですね。)

このようにして手首の回転速度を上げてサムピングを高速連打することで、
速くて細かいフレーズも弾きこなすことができるという事でしょう。

(その代わり、往復サムピングはあまり使用しないようです)

また、彼は元ドラマーだったという事もあり、
ゴーストノートを活かした手数の多い
パーカッション的な刻みフレーズを好んでいるように見受けます。

ぜひ、スラップ・ソロ演奏も見てみて下さい!

あとがき 〜スラップ・スタイルって色々ある〜

markking5

今回の特集、いかがだったでしょうか。

僕(ベーシスト淳)のスラップ入門DVDでは
あくまで大まかな区切りとして
「振り抜きスタイル」「フリースタイル」
というタイプの違いを説明していますが、

しかしマーク・キングはそのどちらの
良い部分も組み合わせたようなスタイルで
スラップ奏法を弾いており、

かつ
「往復サムピングは(ほぼ)しない。
サムピングの連打で高速フレーズを弾く」

というように、

捨てるべき部分をキッパリ捨てて
自身のスタイルを確立しているように見えます。

(もちろん、本人は、
「往復サムピングを捨てる」など考えておらず
ただ単に自分のやりたい奏法を追求した結果
このようなスタイルに行き着いたのかもしれませんが)

要するにスラップ奏法には
人によってそれぞれ様々なスタイルが
存在しているという事で、

最終的にはどんな弾き方をしても
・良い音
・良いグルーヴ
・自分が気持ちよく弾けること
が実現できるスタイルが確立できれば良いのだ、

ということを改めて感じられます。

僕としても自分のイメージしている
好きなスラップ・スタイルがありますし、
今後も様々なスラップ・ベーシストの良い部分を取り入れながら、
自分のスタイルを確立していきたいと思う次第です。

ご意見・ご感想ありましたら、コメント欄にお書きください。

==================
【広告】
~スラップベース奏法の一番やさしいDVD~
2016年発売以来、約900本販売。Amazonで急速にベストセラーを記録したスラップベースの教則DVD。「一番やさしいスラップ奏法」が今なら●●%オフ▼
The following two tabs change content below.
ベーシスト淳(スタジオ淳チャンネル)

ベーシスト淳(スタジオ淳チャンネル)

DVD教材「一番やさしいスラップ奏法」がAmazonでベストセラーを記録。 YouTubeの視聴者が1.7万人の動画スラップベース講師。 1986年生まれ、横浜出身。高校生時代からスラップ奏法にのめりこむ。 しかし、巷のベース教材やDVDを見てもイマイチ理解できず苦戦。数年かけてスラップ奏法を習得。 2011年9月、YouTubeチャンネル「淳ちゃんねる@ベース講座ドヤ顔ハッタリ技」を開設。 「スラップ奏法の習得に苦労した自分と同じような初心者の方にわかりやすく解説したい」という想いから、解説動画をアップし続ける。 2016年、YouTube登録者数が17,000人を突破。 対面レッスンも精力的に取り組み、東京・大阪でスラップ入門講座を開催するなど熱心に活動中。
ベーシスト淳(スタジオ淳チャンネル)

最新記事 by ベーシスト淳(スタジオ淳チャンネル) (全て見る)