■スラップベーシスト名鑑Vol.6
「鳴瀬喜博(ナルチョ)」~ダイナミックで痛快なエンターテイナー
今回は「スラップベーシスト名鑑」第6回です。
ついに連載6回目になりましたが、
今回、ようやく日本人ベーシストを
ご紹介するチャンスがやってきました!
日本の大御所フュージョンバンド
「カシオペア」現ベーシストである、
鳴瀬喜博さんです。
おすすめのフレーズ・曲
それでは、
鳴瀬喜博さんのおすすめ曲を
僕なりにご紹介したいと思います。
▼本人の解説ビデオ
「鳴瀬喜博 直伝 超絶チョッパー・ベース 超絶スラップ教則DVD」
というDVDからのダイジェスト映像です。
前半は、スラップ奏法の
左手ゴーストノートを中心とした
連打フレーズの解説です。
「連打、連打」で練習する
トレーニング方法について解説されています。
後半は、和音をかき鳴らす
ラスゲアード奏法について
解説されています。
Em7コードを押さえて和音を鳴らす
方法について詳しく語られていますね。
▼ベースソロ演奏(ライブ)
▼ FIGHTMAN
この演奏は、
カシオペヤの同曲を鳴瀬さん自身のバンドで
セルフカバーした演奏に、本家カシオペアの
Gu.である野呂一生さんがゲスト出演されている
演奏です(何とも特殊な状況ですね)
この曲の特徴であるスラップ・リフを
冒頭からずっと曲を通して楽しむことができますね。
実はこのフレーズ、弾いてみると、
タイトに弾き続けるのはなかなか辛いと思います。(笑)
(サムピングだけでずっと弾き続けるので)
サムピングだけで弾き倒されている
印象的なスラップ・フレーズの代表例です。
日本のベテラン・スラップベーシスト。
パフォーマンス性の高い豪快プレイ
本連載で初めての
日本人スラップ・ベーシストですが、
誰について書こうか迷いました。
おそらく、「通」な方であれば
・「日本を代表するスラッパーといえば まずは櫻井哲夫さんでしょ!」とか、
・「いや、俺は青木智仁さんが好きだ!」
・「いや、JINO(日野賢二)さんだろ!」
…などなど、様々なご意見があるかと思います。
様々な想い入れのあるベーシストさんが
いらっしゃるかと思いますが、
僕が敢えて一番に書くことにしたのが
この鳴瀬喜博さんです。
その理由は、
スラップベースを弾く上で
僕が一番参考にしている部分として
・「パフォーマンス性」
・「エンタメ性」
・「ダイナミックなプレイ」
という要素をふんだんに持つのが鳴瀬喜博さんだったからです。
僕自身もこれまでスラップ奏法を
練習する中で、とても参考にさせていただきました。
8弦ベースを豪快にかき鳴らす和音あり、
歪みエフェクト+アーム奏法あり。
客席に乱入してプレイする盛り上げ屋
(これは鳴瀬喜博さんのライブ演奏、
とりわけベースのソロ演奏タイムを
見ていただくとわかります。
ぜひご覧下さい。)
この例では8弦ベースを使用していますが、
ベース音にツヤがある独特な音色です。
(8弦ベースとは、通常の4弦ベースの
1本ずつの弦の隣に、細い「副弦」を張った
構造になっているベースです。
副弦は、1オクターブ上の音が出るようになっており、
主弦と副弦を同時に鳴らすことで
独特の、きらびやかなサウンドが得られますね。)
鳴瀬喜博さんは
途中から観客席に入っていき、
そこでベースをかき鳴らしながら
自ら盛り上げていきます。
また、弦をギターのように
かき鳴らす豪快な和音ベースや、
ディストーション(音を歪ませるエフェクター)
で「ギューン」とベース音を歪ませつつ
まるでロック・ギター奏者のように
トレモロアームで音を揺らしています。
・・・何でもやりますね。(笑)
このような豪快なプレイと
パフォーマンス、お客さんを盛り上げつつ
一緒に音楽を楽しんでいくスタイルがとても痛快です。
ベーシスト淳YouTubeで数万回視聴される人気技「ドヤ顔和音」のヒント元になった鳴瀬喜博さんの和音奏法
鳴瀬喜博さんはソロプレイの中でよく
和音を豪快にかき鳴らすことがありますが、
本人の解説によると、
それはフラメンコギターの「ラスゲアード奏法」という
弦を指(爪)で直接かきならす方法に近いと説明されています。
その解説を見た僕は、
それをヒントにハッタリ技を研究し、
「ドヤ顔和音」という技を
YouTubeで解説しましたが、
その和音奏法は、何万回も視聴され
とても人気となりました。
「ドヤ顔和音」
ベースで和音をかき鳴らして
上手そうに見せて「ドヤ」顔をする
(自慢げにアピールする)
といった技だったのですが、
アイディア・発想の元として
インスパイアされた1つは、
鳴瀬喜博さんの「ラスゲアード奏法」
の解説でした。
見ている人を楽しませつつ、
自分自身も音楽を
思い切り楽しむ彼のスタンスを
少しでも取り入れようと
研究したものでした。
【あとがき】
第6回、いかがだったでしょうか。
「ナルチョ」の愛称で知られる鳴瀬喜博さん、
僕自身もライブ演奏を見に行った事があります。
「チョッパーズ・レボリューション」という
3人ベーシストのユニットで、
鳴瀬喜博さん、IKUOさん、村田隆さんという
僕の好きなスラップベーシスト3人が
同時にスラップ奏法を弾きまくるという
強力なライブでした。
ただでさえベース1本でも
強烈なスラップ奏法が、
それぞれタイプの違うスタイルを
同時に楽しめることは
なかなか無い機会だったと思います。(笑)
また、曲の間のトークが何とも面白く、
「笑い」が巻き起こる楽しさでした。
何より演奏している本人が
音楽を、ベースを楽しんでいる姿を見て
「自分も思い切り音楽を楽しむ
スラップ奏者になりたい」と思った次第です。
まだ見たことが無いという方は、
ぜひ、生のライブを見にいってみて下さい!
ご意見・ご感想ありましたら、コメント欄にお書きください。
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