スラップベーシスト名鑑 第13回目のお届けです。
今回ご紹介するベーシストは
「 KenKen 」さんです。
資生堂CMなどでスラップベースを轟かせ、若いベーシスト世代に「スラップ奏法」の衝撃を与える
KenKenさんは現在の若いベーシスト世代 (特に20〜30代以下でスラップ奏法を志すベーシスト)に非常に影響力のあるカリスマ的存在と言えるでしょう。
彼のベース・プレイがテレビCM曲で一気に拡散し、多くの若いベーシストが「スラップ奏法」を知ることになりました。
・2012年の「アクエリアス」CM
サッカー本田健選手の出演するなかBGMで激しいスラップ奏法。
・2013年には資生堂「uno」CM
有名俳優が出演するなかBGMで激しいスラップ奏法。
上記のいずれも、KenkKnが提供する
スラップ奏法による楽曲がBGMとして起用されています。
それらCMを聴いたリスナーが
「な、なんだこの、凄いベースの音は!?」
とビックリし、スラップ奏法とKenkenというベーシストを知ることになったのでしょう。
また、資生堂のCMに使われた楽曲は、「uno × KenKen グルーヴコンテスト」という企画で使用され、様々なアマチュアベーシストがこの曲をカバー演奏してYouTubeにアップロードするというムーブメントを起こしました。
これによってKenKenの楽曲をカバー演奏するスラップ動画が次々にYouTubeにアップロードされ、ネットを中心にますますKenKenの名と「スラップ奏法」を知る人間が急激に増えました。
おすすめ曲・フレーズ紹介
それでは、おすすめの曲やフレーズのご紹介です。
■ アクエリアスCM
CMで話題になったスラップ奏法によるBGM。
残念ながら演奏している様子がわかる映像はありませんが、その映像を見るでもベースに耳が行ってしまうような印象深いサウンドです。
■ ベースソロ演奏(RIZEライヴ)
1:17周辺からの高速轟音スラップベースが見ものです。
手首を大きく振る激しいフォームでの派手なサム&プルが目立ちます。
■ ベースソロ演奏(Namm 2012)
スラップ奏法が多めなので選出しました。
毎年アメリカで開催される世界最大の楽器の祭典「NAMM」での演奏パフォーマンスです。
打ち込みリズムに合わせてスラップ奏法や指弾き奏法、和音奏法やエフェクターを駆使して一人でパフォーマンスしています。
■ “低音のカリスマ” KenKenの神髄(2014.11放送)
こちらは演奏動画は少なめですが、
テレビ「ニュースZERO」で特集された映像です。
「ベース・マガジン」最年少で表紙を飾る。音楽一家に生まれ、幼少からバンドで鍛えられバンド「RIZE」や「Dragon Ash」サポートなどで活躍
2007年にベースマガジンに最年少(当時21歳)で表紙を飾っています。
父:ジョニー吉長(ドラム) 母:金子マリ(歌手)
兄:金子ノブアキ(ドラム)という音楽一家に生まれ、
現在はバンド「RIZE」のベースを担当、「Dragon Ash」サポートベーシストを担当しています。
余談ですが、スラップベーシスト櫻井哲夫さんの35周年アルバム「Nothin’ but the Bass」にもKenKenが参加しているということも前回のコラムを書きながら初めて気付きました。
面白いコラボレーションが聞けます。
「レッチリ(Red Hot Chili Peppers)が大好き」ということもあり(見ての通り)思い切り「フリースタイル」のスラップ奏法。音色は歪みつつ芯がありドライブ感ある轟音。
前述のCMエピソードもあり、一躍有名になったベーシストですが有名なだけではなく実力も確かなもの。
「小3の時にレッチリのFleaの映像を見て電撃が走った」
…と本人が言っているように、スラップ奏法のスタイルは思い切りフリースタイル(腰よりかなり低い位置でベースを構えて、肘を伸ばしてスラップする)の演奏スタイルです。
手首の回転が非常に速く、サム・プルを高速で繰り出してパーカッション的に弦を叩き、複雑なリズムを作り上げています。
ベースの音色は、(僕も個人的に好きな)RIZEのベーシストということもあり、やや歪ませてドライブ感のある轟音サウンド。かつ芯のある音色です。
あとがき 〜若いベーシスト人口を増加させた人物
今回の特集、いかがだったでしょうか。
KenKenさんは1985年生まれとのことで、僕(ベーシスト淳)の1つ年上のようですね。
(もちろん、彼ほどの人物と自分を比較してどうこう言えるような立場ではありませんが)
KenKenの功績というのは、若いベーシストに「ヒーロー像」を見せて、ベーシスト人口・スラップベーシスト人口を増やすキッカケを作ったであろうこともあると思います。
これまでスラップベースがCMなどで大々的に強烈に押し出されることはあまり見たことがありませんが、2013年に資生堂のCMで起用されて、さらに「グルーヴ・コンテスト」としてYouTubeやネットでもアマチュアベーシストを巻き込んで大きく拡散されるなど、多くの人がベースとスラップ奏法を知るキッカケを確実に増やしました。
「ベースってあんな音が出せるの?」
「ベースってかっこよくない?」
…など、これまでベースを知らなかった若い層にもベースという楽器の魅力を知るキッカケを作った事は確かなことでしょう。
ネットやYouTubeの動画というものは、ずっとデータとして後世に残っていくものなので これらの動画はその後も多くの視聴者に影響を与えていくはずです。
(もちろん、本人は「若い人にヒーロー像を見せて、ベースの魅力をもっと広く知らせよう」と思っているかは分かりませんし、純粋に「面白くて刺激のある演奏をCMにぶち込もう!」みたいに考えて自然にやっているのかもしれませんが…(笑))
僕も「スラップ奏法」というものを解説し、広めていく人間として 彼のように新しい取り組みや、ベースの魅力を新しい形で見せていく試みをしていきたいと思う次第です。
ご意見・ご感想ありましたら、コメント欄にお書きください。
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