■スラップベーシスト名鑑Vol.8「ヴィクター・ウッテン」
~超テクニックかつ音楽性豊かな名ベーシスト
今回で「スラップベーシスト名鑑」第8回目。
満を持して、ご紹介できます!
超テクニックを持っていながら
音楽性も豊かなベーシスト、
「ヴィクター・ウッテン」
のご紹介です。
おすすめの曲&フレーズ集
▼ソロベース演奏
彼の使用するEMGというピックアップ(ベースの音を拾う部品)ブランドと
タイアップで撮影されたソロベース演奏動画のようです。
4:22からはスラップ奏法を中心としたパートが始まります。
和音奏法や、先ほどのロータリー奏法を駆使したスラップ・ソロに注目です。
▼S.M.Vでの演奏
名ベーシスト3人が共演する「SMV」の映像です。
「SMV」とは、
・Stanley Clarke(スタンリー・クラーク)
・Marcus Miller(マーカス・ミラー)
・Victor Wooten(ヴィクター・ウッテン)
の3人の頭文字をとったユニット名です。
それぞれ世界的なスター・ベーシストですから、
彼らが揃ってベース演奏をするのは
いちベーシストとしては必見といえるでしょう。
もちろん、スラップベース奏者としても
素晴らしいプレイが見られます。
▼自身のレクチャー映像
自身の奏法について解説されているレッスン動画です。
5:40からは話題の4連続ロータリー奏法について。
それ以外にも、さりげなく披露する演奏の
1つ1つに「上手い!」の一言がつい漏れてしまいますね。
超絶テクニックかつ素敵なグッド・ベース
ウッテンは、スラップベーシストに限らず
ベーシストとして世界的に有名です。
特に「スラップ奏法」について
超絶テクニックと云われる代表テクニックは
4連続で行うロータリー奏法ですね。
(ロータリー奏法については詳しく後述します)
またスラップ奏法だけではなく
もちろん、指弾き奏法についても
とても達者で表現性が豊かであり、
和音や素早い指弾きで
伴奏となるベースパートを弾きながら
ルーパー(反復エフェクター)で
自動反復させつつ、
それに自分でソロを重ねて
リード・ベースを弾くなどの
「ベース1本でソロ演奏」でも
聴衆を沸かせることができるだけの
テクニックと表現性の持ち主と言えます。
まだ見たことがないあなたは
ぜひ、彼のソロ演奏を見てみてください。
初めて見たロータリー奏法。4連続スラップにぶったまげた
僕がウッテンを知ることになったのは
ベース・マガジンなどの紙面だったのですが、
(彼はスラップ奏法に限らず
ベーシストとして世界的に有名なので、
年に何度かは必ずといっていいほど
ベース・マガジンに掲載されるはずです)
はじめは「何やら凄い人らしい」
というぼんやりとした印象だけを
持つのみでした。
しかし、
当時ニコニコ動画やYouTubeで
初めてウッテンその人を見たとき
ぶったまげました。
「なんて上手い人なんだ!!」
・・という感じです。(笑)
その時、偶然にも見たのは
ニコニコ動画(動画投稿サイト)に
2007年に投稿された
「Victor Wooten スラップ講座」という動画
http://www.nicovideo.jp/watch/sm235708
なのですが、
自身のレッスン動画の一部で
スラップ奏法について解説している映像
だったのです。
そこで何やらコメントが湧いていたのが
「できねええええ!」
「うますぎ」
「!!!???」
などの視聴者コメント。
な、何だろう?
・・・と気になって見てみると、
ウッテンが4連続ロータリー奏法について
解説している映像だったのでした。
「ロータリー奏法」というのは
スラップ奏法の応用技術なのですが、
彼の場合はこう弾いているようです。
- 1.サムピング(ダウン)
- 2.サムピング(アップ)
- 3.プル(人差指)
- 4.プル(中指)
(という流れで4連続で音を出す)
僕のDVDでも応用編で解説したように、
サムピングを「ダウン > アップ」
と2連続で弾くことを
「往復サムピング」と呼ばれています。
そこに続けて、「プル」を組み合わせて
連続で弾くことを「ロータリー奏法」と呼ばれます。
■ 往復サムピング
- 1.サムピング(ダウン)
- 2.サムピング(アップ)
■ ロータリー奏法
- 1.サムピング(ダウン)
- 2.サムピング(アップ)
- 3.プル
…という違いがあるという事で、
整理できるかと思います。
さらにウッテンのロータリー奏法では、
プルをもう一回追加して、
■ ロータリー奏法(ウッテン)
- 1.サムピング(ダウン)
- 2.サムピング(アップ)
- 3.プル(人差指)
- 4.プル(中指)
と4連続で弾いているということですね。
・
・
・
「なんてテクニックだ!!」
と、当時の僕はぶったまげました。
まず普通のロータリー奏法でも
かなりの鍛錬が必要なのに、
さらにプルを追加して4連続で弾き
かつ、あの音の粒ぞろいの良さ、
リズム感とフィーリングも
失われずに、技術を自分のものにしている。
一体どれだけの鍛錬をしたんだ…!!
と驚いた記憶があります。
(補足)
彼自身、解説ビデオでも
「ものすごく練習をしたんだ」
という感じのことを言っているんですが、
4分あまりの解説映像では
あまりにすんなりと自然に
4連ロータリー奏法を弾いているように見えるので
視聴者からは
「これはさすがに、映像見ただけじゃ出来ないわ!」
というコメントが殺到したのだと思われます。(笑)
(やっぱり練習って大切ですね)
見せかけのテクニックに終始しない確かな演奏力と表現性
「ハッタリ」という言葉がありますが、
ウッテンの場合は
その言葉とは「真逆」に位置する
ベーシストと言えるでしょう。
先述のような動画を見ると
表面上では、「テクニック面」だけに
注目されてしまいがちですが、
彼のベース演奏は、
見せかけのテクニックだけの話題には
収まらない、確かな演奏力と
音楽性を備えています。
(演奏の動画を見ていただけば
言わずもがな、それが分かると思います)
ド派手な技を使わずとも、
ツーフィンガーの指弾きだけでも
十分にベース1本でのソロ・プレイで
聴き入って(見入って)しまうような
音楽を奏でることができるのが
彼の魅力と言えるでしょう。
「ソロ・ベースをマスターしたい」
という方はもちろん、
「いちベーシストとして
バンドを支えるグルーブを奏でたい」
という方にも、
ぜひ一度は見ていただきたいのが
ヴィクター・ウッテンその人です。
【あとがき】〜見た目に派手な技は、実力あってこそ〜
第8回、いかがだったでしょうか。
今回、ウッテンについて
“「ハッタリ」とは真逆の存在だ”
…という表現を書かせていただきましたが、
つまりは
「実力があってこそ、表面的なテクニックも成り立つ」
という事が本質であると思います。
…と言っている僕(ベーシスト淳)自身、
普段からYouTubeなどで
「ハッタリ技」などと吹聴しているので、
上記は自分に言い聞かせるように
執筆しておりました。(笑)
もちろん、
僕の普段いう「ハッタリ技」とは、
普段から努力して練習している人が
ちょっと「ハメを外して」プレイしたい
と思った場合のための技やフレーズを
ご紹介しているというのが本質なのですが、
ウッテンを見ていると
「本質を忘れちゃいけないな」
と、いつも思い出されます。
今後もウッテンのように、
ベースそのものを楽しんで
鍛錬していきたいと思います。
ご意見・ご感想ありましたら、コメント欄にお書きください。
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