■スラップベーシスト名鑑Vol.7「レス・クレイプール」
~摩訶不思議 クセになる変則フレーズ
今回で「スラップベーシスト名鑑」
第7回目です。
ついにやってきました!
摩訶不思議なフレーズなのに妙に耳に残る!謎の高技術スラップベーシスト
「レス・クレイプール」のご紹介です。
おすすめの曲&フレーズ集
▼Greet The Sacred Cow
この曲は、一般の人でも
違和感なく聴きやすい曲ですので初めての方にはおすすめです。
素直に「耳に残る、かっこいいスラップフレーズだ!」と思えるようなリフが出てきますので、
レス・クレイプール初心者の方はこういった聴きやすい曲から始めて、
徐々にディープな曲に移行していくことを個人的におすすめします。
▼Jerry Was A Racecar Driver
タッピング奏法+左手ゴーストノートを活用した不思議なリフから始まり、終始それを弾きながら歌い続ける曲です。
「タッピング奏法と左手ゴーストノートを組み合わせて、パーカッシブな音を出す」
…というアイディアを新鮮に感じました。
1:25からの迫力ある歪みサウンドによるスラップ+和音奏法も見所です。
(その後のギターソロも変人的です。)
▼ Tommy The Cat
ライブで盛り上がる人気の名曲です。ゴムまりのように跳ねる独特なベース・サウンドが特に前面に押し出された曲ですね。
3:12からのベースソロ・パフォーマンスでは弦をスクラッチしたり右手の手の平で指板を叩いたりと自由なフレーズを弾いています。
▼ kalamazoo
個人的に僕の好きな曲で、僕の希望でコピーバンドでは選曲しました。
スラップ奏法と和音をうまく組み合わせたフレーズが弾いている側にも「クセ」になります。
「上手いベーシスト=変人」という噂がありますが…
時々、ネットなどでもよく云われる
冗談話があるのですが、
上手いベーシストは「変人だ」
という格言?のようなものがあります。
その「変人」という言葉は何をもってして「変人」というのか
…というと色々あるのですが、
代表的なことを言うと、
- (1)テクニックが高く、変人級。
- (2)容姿や動き方が特殊で、変人のよう。
- (3)フレーズで使っている音階やリズムの解釈が難しすぎて変人的。
といった3つの要素があると思います。
「レス・クレイプール」は、これらの3つをどれも備えているため
まさに「変人」と言えるスラップベーシストではないでしょうか。
とにかく、動画で見てみると
なるほど実感できるかと思います。
ベース&ヴォーカルとして何やら難解な歌を歌いつつ
多弦ベースでスラップや和音、タッピングし謎のフレーズを弾く
レス・クレイプールは「Primus(プライマス)」というバンドで活躍していますが、
ベースがヴォーカルを兼ねる3ピース編成(Ba&Vo , Gu , Dr)であるため、レス・クレイプール自身がベースを弾きながら歌っています。
「ベースを弾きながら歌う」ということ自体がなかなか難しい行為なのですが、
弾いているフレーズそのものが
・スラップしたり
・タッピング(ライトハンド奏法)したり
・和音を弾いたり
…と、
技術を要するフレーズが多いのです。
実際に真似しようとしてみると
「こんなの弾きながら歌ってるのか!?」
と、びっくりすることも多々有ります。
(ちなみに僕(ベーシスト淳)も、学生時代にPrimusのコピーバンドをやっていました。)
何とも表現しにくい音階の不思議なフレーズが耳に残り、得体の知れない迫力がある
ひとまずプレイの映像を見ていただくと分かるのですが、
弾いているフレーズの音階は何とも表現しにくい不思議な音や
歌のメロディも表現しにくく、(ラップのようなフレーズもあり)
マネして弾こうと思っても
「???」
…と、解釈に困るフレーズが多いです。(笑)
ベースの音も、ゴムのような独特な粘り気のあるサウンドをしています。
しかし、バンド全体のグルーヴが妙な迫力を出しており、聞いているとクセになってきます。
どうにかフレーズをコピーしようと
四苦八苦したあの頃…!
何を隠そう、僕(ベーシスト淳)自身もコピーバンドとしてPrimusの曲を仲間と一緒にチャレンジしてみたことがありました。
(紹介している曲のうち3曲です)
その当時は「Primusなんかコピーしたら皆に凄いって驚かれるんじゃないか?」
という話題で盛り上がり、勢いでうっかり始めてしまったのですが
ギターもベースも、ドラムも全て難しい…!
「やる」と言い出してしまった後で後悔しました。(よくある話ですね…)
しかし、レス・クレイプールの曲はほとんど曲を通してずっとひたすら往復スラップし続けながら歌を歌ったり、ずっとタッピングし続けるなど、「体力」を要するようなフレーズが多かったため、おかげで「体力と根性」を鍛えられたかもしれません。
また、全曲を「耳コピ」で習得することになったため、「耳」も鍛えられました。
(彼らの曲は、一般的なよくあるロック&ポップスで使うようなスケールとは違う曲をよく使うので自分の「手グセ」で何となくコピーするような手抜きができず、耳を頼ることになりました)
当時、とても苦しい思いをしたのですが、今となってはいい思い出です…。
【あとがき】
第7回、いかがだったでしょうか。
「いつ、彼について書こうか」と思っていたレス・クレイプールですが、
彼をご存知の方なら
「このタイミングで、ついに来たか!!」と、ニヤリとした方も多いだろうと想像しながら執筆いたしました。
彼の音楽性には好き嫌いが分かれるかもしれません。
・「よくわからない音楽」
という評価をする方もいるでしょうし、
・「聴いていたら、だんだんクセになった」
という感想を持たれる方もいるかと思います。
僕も始めてレス・クレイプールのCD音源を
聴いた時には「???」と思いましたが、
ライブ映像を見てみるとその迫力に圧倒され、「なんかかっこいい!」と思うようになりました。
個人的な感想ですが、CDで聴くよりもライブ音源を聴いた方がはるかに迫力が伝わってきますね。
(実物のライブを見たらもっと圧倒されると思います。)
ぜひ、CD音源よりも前にライブ映像を見てみることをおすすめします。
ご意見・ご感想ありましたら、コメント欄にお書きください。
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